幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

そう考えるともやもやしてきた。

私だけじゃないかもって思うと悲しくなった。

もちろん不安になる要素はない。

それでも、不安になってしまうのだ。

「りり?」

私は玲音の服の裾を掴んだ。

「…………玲音のいいとこ知ってるのは私だけだよね?」

玲音は大きく目を見開いてから、うつむいた。

変なこと言っちゃったかな。

「やっぱお前だわ」

「ん?」

「心配しなくていいよ。俺のこと分かってるのはお前だけだから」

そう聞けて嬉しかった。

安心した。