幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

「玲音の本気それ?」

吸い終わって顔を上げた玲音に聞いてみた。

「え、何?煽ってんの?」

「そういう訳じゃないけど、前と違うから」

「あー。半分本気」

半分って何!?

「まあ、俺の本気食らったらお前、気絶するし」

確かにしそう。

「またいつか」

「うん」

本気で吸って欲しいような欲しくないような。

「俺以外の奴に血を吸わせんなよ」

「もちろんだよ」

「あと、静と仲良くすんな」

え?

「せっかく出来た友達なのに?」

「俺が嫌なの!俺の嫉妬と独占欲なめんなよ」

「なるべくそうする」

「それにお前のこと恋愛対象として見てるかもだし」

それはないよ。

静くんの好きな人は麗華さんだけど、軽々しくそんなことは言っちゃいけない。

「それはないかな」

とだけ言っておいた。