幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

食堂に着いてから玲音は

「何かあった?」

と聞いてきた。

玲音のせいでこんな浮かない顔してるんだけど!!

怒鳴りたくなったけど、やめた。

玲音と喧嘩はしたくないし。

「……そういう玲音はなんで遅かったの?」

私は玲音を試した。

正直に話すのか、誤魔化すのか。

「クラスの奴に足止め食らって遅くなった。ごめん」

嘘ではないけど、上手くかわしたな。

やっぱり玲音の方が一枚も二枚も上手だ。

「そっか。先、食べてて」

「どこ行くんだよ」

「お金忘れたから取りに行く」

私は嘘をついてその場を離れた。

今、玲音と一緒にいるのはなんとなく嫌で。

魁李にでも話すか。

そう思っていたのに。

苦手な蓮常寺くんに捕まってしまった。