幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

「そっか……ごめん」

「謝らないで!私が惨めな人みたいじゃない」

「麗華は……素敵な女子だよ」

麗華さんは玲音に抱きついた。

「ちょっ!」

「………今日だけ許して」

私は見るに耐えられなくなって、教室へ戻った。

何で簡単に抱きつかれてるの?

私だけじゃないの?

なんだか器の小さい人になったみたい。

玲音は優しいから退けられなかったのかもしれないけど、それ優しさじゃないし。

こんな気持ち知りたくなかったな。

「りり、まだ居たの?」

玲音が教室までわざわざ迎えに来てくれたようだ。

「お手洗い行ってて」

あの後、どうなったんだろう。

今の私、上手く笑えてるかな?