幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

さっきの洋館に来た。

今日からここに住むのか。

「りりの部屋はさっきのとこだからね」

玲音が急に耳元でささやいてきた。

心臓に悪いってば!

「分かったから耳元で話さないで!」

「俺のこと、意識してるの?」

「してない!!」

まだ何か言ってるようだったけど、無視して洋館へ入った。

さっきは気づかなかったけど、大きなシャンデリアと大理石の床という豪華過ぎるエントランスが迎えてくれる。

階段もまるで西洋のお城のような造りになっていた。

まあ、現実は王子様じゃなくて吸血鬼がいるんだけど。

「荷物置いてきたら俺の部屋に来いよ」

「はーい」

そもそも俺の部屋が分からないんだけどね。