千代さんの記憶を見終わってすぐ

「あなたを守りきれないことをお許しください」

と千代さんは泣きながら言った。

「これも運命ですから、仕方ないです。それにあいつならどうにかしてくれる」

そう、りりならきっと。

「そこまで愛せる人がいていいですね。その方がこの呪いを解いてくれることを期待しています」

俺もそう思う。

あいつならきっと、俺のために何かしてくれているだろう。

「俺は歌子さんに試されてるんだな」

「ですね。あなた方の愛ならきっと大丈夫ですよ」

千代さんは涙目のまま、そう笑いかけた。