「要するには怖いのね？入井くんと恋仲になるのが」

そうだよ。

幼なじみっていう楽な関係から、そんなギスギスした関係になりたくない。

それに恋とか分かんないし。

どれが恋でどれが幼なじみの気持ちか分かんないんだもん。

「玲音を守る者として個人的な感情は入れないの」

「何が守る者よ、そんなんであんたの青春終わらせる気？」

そんなこと言われても………。

「私は恋なんてしたことないなら、どれが恋とか全く分かんないんだよ！」

「……まさか、根本的なところを知らないわけ？」

「そう言ってるじゃん！」

この子ダメね、などと呟く魁李。

そして、ゆっくり口を開いた。

「私が恋を教えてあげる」