花はいつなんどきも美しく

しかし今回のことを相談したら、多分笑われる。
もしくはバカにされる。


言えない。


「ま、言いたくなったらいつでも相談乗るから。今はとりあえず、その重い空気どうにかしてね。聡美に仕事頼みたいって人全員、私を経由してくるから」


言われてみれば、今日の仕事、愛子から頼まれることが多かった気がする。


要は、私が話しかけるなオーラというか、不機嫌オーラを出してて、みんな逃げたってわけか。


それは社会人として、切り替えができていなかったとも言える。


心の中で反省会を開いていたら、愛子は右手のひらを見せてきた。


「迷惑料金。コーヒー一杯分で許そう」


流されるように財布を開いたけど、すぐに手は止まった。


「いや、おかしくない?奢らないから」


迷惑をかけて悪いと思うけど、だからって、奢る必要はないはずだ。


すると愛子はつまらなそうに舌打ちをした。


「騙せると思ったのになあ」


そう言いながら、自分で缶コーヒーを買った。
また何か言ってくるのかと思ったけど、愛子はコーヒーを飲みながら、手を振って帰っていった。


入れ違うように、園田雪がやって来た。


「お疲れ様です」


お互いそう挨拶しただけで特に会話もなく、園田雪は自販機にまっすぐ向かった。
お金を入れる音、ピッという機械音、飲み物が落ちてくる音と、流れるように音が聞こえてくる。