花はいつなんどきも美しく

視線だけは私の方を向いていて、それは恐ろしく冷たい。


また真司の質問に答えられないだけじゃなく、真司の目が見れない。


黙っていたら、真司は背を向けた。


「何も言わないってことは、図星ってことだな」


どこまで見抜かれているんだ。
真司が鋭いのか、私が分かりやすいのか……


いやそんなことより、バレてしまったら、隠すことは何もない。


「悠之介、なんか言ってた……?」


聞くのは怖いが、知らないのも嫌で、小さな声で尋ねると、さっきよりも鋭い目で私を見てきた。


「知るかよ」


突き放された。


なんとなく、そう感じた。


そして、とても無神経なことをしてしまったとすぐに後悔した。


私を好きだと言ってくれる真司に、聞いていいことじゃなかった。


「……ごめん」
「謝るな。恋愛に疎いお前が俺の気持ちに気付くわけないし、俺が行動しなかっただけだから」


だとしても、今の質問はよくなかった。


「聡美がどれだけママに惹かれてても、全力で俺に振り向かせてやるから。覚悟しとけ」


真司はそれだけを言うと、帰っていった。


寝室から出て、脱ぎ散らかしていた灰色のパーカーを羽織り、白いラインが入った黒いジャージを履く。


洗面所に行くと、自分の顔が真っ赤であることに気付いた。
真司の言う通り、そういう関係になったから、気になって好きになった自分の単純さに、吐き気がする。