私はダンスに誘われない


ふたりきりになった。
中田くんは私をまっすぐ見つめて、
「河岸さん、お願い。オレの目を見てあの時の返事して?」
と言った。


私は中田くんを見つめ返し、小さな声で、
「……好きです」
と言った。

その時中田くんがくしゃっと笑った顔を見て、魔法にかけられた気持ちになった。

ここは舞踏会。
私はドレスアップをしていて、オシャレをした中田くんが私に手を差し伸べてくれている。


耳をすませばきっと聞こえてくるはず。
あなたへの想いをのせたワルツの音色。


ーーその手をとって私、舞台に立つの。