私はダンスに誘われない

その度に心臓がドキドキした。
それが心地よくて。

私は自分の中に恋心を見つけたんだ。


背中を押してくれた、優しい人。
ニッコリ笑ってくれる度に気持ちが膨らんでいく。


だから知らなかった。
田村さんの険しい視線に。



田村さんは中田くんのことが好きなことを公言しているような人だった。
実際、香川さんがノートをバラまいた日も中田くんをめぐって言い合いをしていたのも田村さんだ。

私は昼休み、お弁当を鞄から出そうとした時に、田村さんから呼び出された。
「ちょっときて!」
人気のない廊下の先に連れて行かれて、
「ねぇ、どういうつもりなの!?」
といきなり怒鳴られた。
田村さんが私の腕を力いっぱい掴んだ。