「ちょっと美奈、大丈夫？」


一気に水を飲み過ぎて気管に入ったんだろう。


そう思って確認してみると、蛇口から緑色の水が噴き出しているのが見えた。


美奈はその場にしゃがみ込み、苦し気に咳き込み続ける。


「美奈！！」


慌てて美奈の様子を確認すると、口の中に大量の髪の毛が入っているのが見えた。


髪の毛は美奈の舌に張り付き、いくら咳き込んでも離れない。


「冗談だろおい！」


直弘があたしを押しのけて、美奈の口の中に手を入れた。


そのまま一気に髪の毛を引きずり出す。


美奈が苦痛に呻き、涙を流した。


それでも口の中の髪の毛は取り切れず、次から次へと吐きだされる。