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その夜、あたしは眠ることができなかった。


布団に入っても寒気がとまらず、体がガタガタと震えてしまう。


完全に暗闇に包まれてしまうことが怖くて、ずっと電気もつけっぱなしだった。


気持を落ち着かせるためにイヤホンを付けて好きな音楽を流していても、イヤホンからあの声が聞こえてくるのではないかと嫌な妄想に駆られて、落ち着くどころか恐怖心が倍増していく。


お気に入りの本を開いてみても集中して読むことができず、朝まで布団にくるまって震えていることしかできなかった。


部屋に朝日が差し込む時間になると、ようやく少しだけ安心することができた。


世界に光が満ちているだけで、この世に生きている人間の時間がやってきたと感じることができる。