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家に戻り、リビングで家族と談笑しているときはまだ良かった。


だけど自室で着替えをしたり時々トイレに入ったりすると、途端に恐怖心が湧き上がって来る。


またあの顔がどこかからあたしを見ているんじゃないか?


そんな気がして全身が凍り付いてしまう。


そんな恐怖心を少しでも払拭するため、あたしは常にスマホを持ち歩く事にした。


トイレに行くときも、ちょっと1人になるときもスマホを手放さない。


その間ずっと美奈とメッセージ交換をしていた。


美奈の方も1人では不安みたいで、あたしがメッセージを送ったらすぐに返事をくれた。


「恵梨佳、そろそろお風呂に入りなさいよ」


母親に声をかけられて時間を確認すると、すでに夜9時を回っていた。


「わかった」


あたしはお風呂の準備をして、スマホ片手に脱衣所へ向かった。


お風呂でも1人きりになってしまうから、スマホ用のナイロンケースに入れて持って入ることにしたのだ。