「撮れた」


直弘が短く言い、すぐに写真を確認した。


その表情が、見る見る険しくなっていく。


直弘の表情を見ているだけで写真になにが写っていたのか予測ができてしまった。


「見せてくれ」


知樹が直弘からスマホを受けとり、確認する。


その表情もすぐに険しくなった。


「2人とも、なにが写ってたの?」


我慢できなくなったのか、青ざめたままの美奈が聞いた。


知樹はゆるゆると息を吐きだして、スマホの画面をあたしたちへ見せて来た。


そこには……民家の壁にうつる大きな顔があったのだった……。