同時にまるで大きな氷を抱きかかえているように、腕に冷たさを感じて視線を落とした。


「ヒッ!!」


いつの間にか、あたしは自分の腕に赤ん坊を抱きかかえていたのだ。


それも氷のように冷たい赤ん坊だ。


腕の中の赤ん坊はバスタオルでくるまれていて、顔を確認することもできなかった。


しかし、その胸あたりは確かに上下している。


これでは赤ちゃんの呼吸が苦しそうだ。


そう思うけれど、動く事ができなかった。


両腕が接着剤で固定されてしまったかのように、ビクともしない。


次第に自分の呼吸が乱れて来るのが分かった。


……怖い。


素直にそう感じた。


可愛いはずの赤ちゃんを、これ以上腕に抱いていたくない。


それなのに、あたしの腕は赤ちゃんを離そうとしない。