後ろの黒板の前に4人で立ち、クラスメートに頼んで撮影するみたいだ。


「ねぇ知樹、昨日のってさ……」


そっと聞いてみると、知樹は小さく頷いた。


「うん。ちゃんと考えてやったことだから」


ちゃんと考えてやったこと。


それって、その場のノリとかじゃないってことだよね?


そう理解した瞬間、自分の頬が緩むのを感じた。


知樹は本気であたしのことが好きなのだ。


そうわかると照れくさくて、つい俯いてしまった。


「あ、恵梨佳顔上げなきゃダメだよぉ?」


写真を撮ってくれる友人にそう言われ、あたしはどうにか顔を上げた。


きっと今、あたしの顔は真っ赤になっているだろう。


そして、スマホのシャッターが数回押される。


「サンキュ」


直弘が軽い感じで言い、スマホを確認している。