あたしたちはバスを途中下車し、アジサイ寺へと向かった。


思ったよりも急な参道があり、その両端にブルーのアジサイがひしめくようにして咲いている。


下から見上げてみると、アジサイの道が空に続けているように見える。


「すごい……綺麗!」


「本当だ。雨の季節でもこんなに綺麗な景色を見ることができるんだもんな。日本ってすごいな」


知樹が感心したように言うので、笑ってしまった。


「俺、変なこと言った?」


「ううん。でも、ジジくさい」


そう言うと、知樹に頭をこづかれてしまった。


2人で参道を上がると立派なお寺が現れて、見物のお客さんたちが沢山いた。


横道を逸れて歩いて行くと、そこには赤色のアジサイ道が作られている。


場所によって色々な色のアジサイを楽しめるように、土を変えているようだ。