他愛のない会話をしている間にバスは進み、貯水池の手前までやってきていた。


「ここだ……」


バスを降りて周囲を見回すと、小さな店が点々とあるだけであとは畑や田んぼが連なっていた。


大きな建物がないため、あたしたちの目的場所であるショッピングモールがここからでも良く見えた。


「貯水池は向こうだな」


直弘が先頭を歩き始める。


その小さな池は大きな道路の横にあった。


周囲には民家が立ち並んでいるのに、フェンス等の囲いはない。


「結構よどんでるなぁ」


池の前で立ちどまり、知樹が言った。


池に流れはなく、緑色をしている。


近づいてみると微かな刺激臭を感じた。


「この池に人の顔が……?」