数時間後。


あたしと知樹と直弘の3人はまだ貯水池にいた。


けれどつい数時間前とは違う光景がそこに広がっていた。


周囲は救急車や警察車両が集まって来ていて、物々しい雰囲気に包まれている。


住宅街の人々も表に出てきて何事かと見学していた。


館下先生の事故の目撃者として、あたしたち3人は警察を呼んだのだ。


もちろん、美奈が池に落下してしまったことも報告した。


「みつけたぞ！」


捜索隊の言葉が聞こえてきて、あたしたち3人はすぐに池の近くまで移動してきた。


3人の捜索隊が池の中からなにか引きずってこちらへ向かって歩いてくる。


「美奈！？」


直弘がたまらず叫んだ。


しかし、捜索隊が発見したのは美奈ではなかった。


それは……館下先生の遺体と、その遺体に縋り付くようにしがみ付いた、友江さんの遺体だったのだ。