4人の生徒たちになにもカモがバレた俺は、あの貯水池まで連れて来られていた。


友江を殺してから1度も来ていなかった場所。


池は相変わらず淀んでいて汚らしく、風に乗って微かな腐敗臭がした。


その時、泣き声が聞こえた。


1度も聞いたことのない、俺の子供の泣き声だ。


アアアアアアアア!!


外へ出ることができなかった赤ん坊は、どんな風に泣くのかもわからないのか、それはサイレンのような声に聞こえた。


「館下先生にも聞こえますよねえ?」


生徒の真柴恵梨佳にそう聞かれても、俺は返事をしなかった。


代わりに軽く鼻を鳴らす。


俺がここまで大人しくついて来たのは男子生徒に囲まれていたからじゃない。


タイミングを見計らってこいつら全員を殺してやるつもりだったからだ。


女子生徒2人を殺すのはきっと簡単だ。


いますぐにでもこの池に突き落としてしまえばいい。