あの写真が出て来た瞬間、黒いモヤがスッと消えて行ったのだ。
「あぁ、あの写真か。あれは何度捨てても俺のところに戻ってくるんだ」
「え……?」
あたしは館下先生の言葉に思わず聞き返していた。
「ほら、ここにある」
そう言い、館下先生はシャツのポケットからエコー写真を取り出して見せた。
それは以前見たもので間違いなさそうだ。
「俺は友江からエコー写真を見せてもらったけれど、持って帰ったりはしてない。写真を見た後、すぐに殺したからな。わざわざ死んだ子供写真なんて持って帰らないだろ」
「で、でも、その写真が出てきてすぐに赤ん坊の霊は消えたよね?」
美奈も、あたしと同じ疑問を感じていたみたいだ。
「もしかしたら『忘れないでいて欲しい』っていう赤ん坊の願いがそういう形で出て来たんじゃないか?」
知樹が閃いたように言う。
そうかもしれない。
何度捨てても戻って来る写真も。
その写真がジャージから出て来た途端に消えて行った霊も。
自分を忘れないでいてくれるなら、悪さをしないということなのかもしれない。
「あぁ、あの写真か。あれは何度捨てても俺のところに戻ってくるんだ」
「え……?」
あたしは館下先生の言葉に思わず聞き返していた。
「ほら、ここにある」
そう言い、館下先生はシャツのポケットからエコー写真を取り出して見せた。
それは以前見たもので間違いなさそうだ。
「俺は友江からエコー写真を見せてもらったけれど、持って帰ったりはしてない。写真を見た後、すぐに殺したからな。わざわざ死んだ子供写真なんて持って帰らないだろ」
「で、でも、その写真が出てきてすぐに赤ん坊の霊は消えたよね?」
美奈も、あたしと同じ疑問を感じていたみたいだ。
「もしかしたら『忘れないでいて欲しい』っていう赤ん坊の願いがそういう形で出て来たんじゃないか?」
知樹が閃いたように言う。
そうかもしれない。
何度捨てても戻って来る写真も。
その写真がジャージから出て来た途端に消えて行った霊も。
自分を忘れないでいてくれるなら、悪さをしないということなのかもしれない。



