見ツケテ…

「首を絞めて殺して、あの池に投げ込んだ」


館下先生の信じられない言葉が鼓膜を揺るがした。


首を絞めて殺して、あの池に投げ込んだ。


同じ人間がやったことだとは思えなかった。


あたしは自分の耳を疑った。


しかし、今の言葉はここにいる全員が聞いた言葉で間違いがなかった。


取り消すことは、もうできない。


「このネックレスも一緒に池に捨てようと思った。でも、できなかった」


首に食い込んでいるネックレスを指先で触れて言った。


「それは、どうしてですか?」


あたしはそう質問した。


館下先生にとって、ほんの少しでも自負の念があったからだろうか。


そう思ったが、全く違うものだった。


「その時にはもう取れなくなってたんだ」


その言葉に目を見開いた。


「お間らの憶測通り、これは友江とオソロイで購入した指輪だ。妻にバレてもいいように、俺はネックレスとして使っていた。まさか、殺して数分後には取れなくなってるなんて、思ってもいなかった」