見ツケテ…


☆☆☆

それからあたしたち5人は、隣街へ向かうバスの中にいた。


館下先生に話を聞きながら、移動するほうが早いということになったのだ。


「女の名前は吹田友江(スイタ トモエ)まだ20代だ」


「館下先生の恋人ですか?」


知樹の質問に、館下先生は頷いた。


「でも、館下先生は結婚してるじゃないですか!?」


あたしは思わず声が大きくなっていた。


結婚しているのに他の女性と関係を持っていたという時点で、あたしにとっては許せない行為だった。


「そうだ。結婚しているのに他にも恋人がいたんだ。なにが悪い?」


途端に開き直られて、胸の奥がムカムカした。


奥さんはこんな男のどこが良かったんだろう。