見ツケテ…

「俺たちはあの池に行ってから、奇妙な経験をしてる。水道から緑色の水が出てきたり、長い髪の毛が出てきたり、赤ん坊の泣き声を聞いた」


直弘が、館下先生の手を握りしめたまま言う。


「あたしはあの池から伸びて来た手に捕まれました」


美奈が震える声で言うと、館下先生の目が泳いだ。


「俺はその手についている、指輪を見ました。……館下先生が付けているネックレスと同じデザインの指輪でした」


知樹が言う。


「あたし達の前に現れる赤ん坊や女性は、館下先生に関係している人物ですよね？」


あたしが聞くと、館下先生は観念したように、「そうだ」と、頷いたのだった……。