見ツケテ…

このままずっと、悪夢にうなされ、いずれ命を奪われる。


そんな最悪な結末が、すぐ近くに準備されているような気がする。


「来たぞ!」


小さな声で知樹が言った。


ハッとして顔を上げて確認してみると、館下先生が砂利を踏みながらこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。


その瞬間、心臓が早鐘のように打ち始める。


館下先生の顔は般若のように目が吊り上がり、赤鬼のように真っ赤に染まっていたのだ。


そして首に絡み付くネックレスは、以前よりも更に深く食い込んでいるように見えた。


「どこに行きやがったクソガキどもが」


館下先生が近づいてくるにつれ、そんな呟きが耳に入った来た。


「蜘蛛も役に立たなかったし、悪運ばっかり強いやつらだ」


その言葉にあたしはまた息を飲んだ。


やっぱり、あの蜘蛛を準備していたのは館下先生だったんだ!


危うく命を落とすところだったとわかり、あたしの体に寒気が走った。