もしも噛まれていたらと思うと、青ざめた。


「館下先生かもしれない」


知樹が小さな声で言った。


館下先生なら、これくらいのことはやりそうだった。


「ちょっと待てよ。館下先生は俺たちが早退するってわかってたってことになるぞ?」


直弘が緊迫した口調で言うので、ハッとした。


そうだ。


昨日からあたしたちの動きはずっと監視され続けている。


今日だってきっと館下先生はあたしたちを監視しているのだろう。


「だとしたら、先生はまだ学校内にいるかもしれない」


そう言ったのは美奈だった。


とっても、館下先生だって安易にあたしたちに見つかったりはしなさそうだ。