「外から家の中の異変に気が付けるかどうかわからないよ?」


あたしは知樹へ向けてそう言った。


できれば危ないことはやめてほしかった。


「それなら、すぐに電話できるようにしておくよ。俺から電話があったら、警察に連絡するんだ」


「そんな……」


そんなにうまくいくだろうか?


そう思ったけれど知樹は引いてくれそうにない。


あたしは不安な気持ちを抱えたまま、下駄箱で靴を履き替えた。


その、瞬間だった。


靴の中に違和感があり、あたしはすぐに靴を脱ぎ捨てていた。


「恵梨佳、どうしたの?」


「靴の中になにかある」