あたしたち4人は交代に、自分たちの身に起こっている現象について説明した。


途中でホームルーム開始のチャイムが鳴ったけれど、保険の先生はそのまま話を聞き続けてくれた。


保険の先生は時折困ったように眉を寄せたが、話の腰を折る事もなかった。


「それで、館下先生に狙われてるんじゃないかって疑ってるわけね」


すべてを聞き終えた後、保険の先生は大きなため息と共にそう言った。


「疑っているんじゃなくて、本当に狙われているんです!」


あたしは思わず声を大きくして言った。


「だけど実際に館下先生の姿を見たワケじゃないわよね?」


「それは、そうですけど……」


そう言われると、あたしたちは弱かった。


心霊現象以外の出来事の犯人は確かに憶測でしかなかったからだ。


「でも、もしかしたら背中に指紋くらいならついているかもしれないわね」


保険の先生はそう言い、直弘を見た。


直弘が「あっ」と、小さく声を上げる。


「確かに、階段から落ちた時後ろから誰かに押されたから、制服に指紋がついてるかもしれない!」


「その指紋と館下先生の指紋が同じだって証明ができれば、犯人だと言えるわね?」