見ツケテ…

☆☆☆

「恵梨佳、いつまで寝てるの?」


そんな声がしてあたしは寝返りを打った。


まだ眠たくて、瞼が開かない。


だけど瞼の向こうからは陽の光が差し込んでいるのを感じていた。


今何時だろう?


もう朝?


そう思い、重たい瞼をゆっくりと開ける。


その瞬間、瞼の奥に感じていた光がスッと溶けて消えた。


部屋の中はまだ暗く、窓の外からは月明かりが入り込んでいる。


目を閉じているときに感じた光は、太陽ではなかったんだろうか?


いや、それでも確かに母親があたしを起こす声が聞こえたんだけど……。


疑問に感じて寝返りを打った。


その時だった。


母親の布団と、父親の布団の間に誰かが立っているのがわかった。