見ツケテ…

母親とここまで密着したのは何年ぶりだろうか。


母親の温もりを感じていると、自然と小学生時代のことが思い出された。


小学生低学年までは、毎日こうして一緒に眠っていたのだ。


「あったかい」


布団の中はポカポカと、まるで春みたいな陽気だ。


「少し暑いくらいでしょ」


そう言ってかけ布団をずらそうとするので、あたしはそれを阻止した。


確かに少し熱く感じるくらいだけれど、今はそれが丁度よかった。


目を閉じるとようやく安堵して眠りにつけそうな気がする。


「おやすみ、お母さん」