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その夜。


あたしはなかなか寝付くことができずにいた。


ベッドの中で何度寝返りを打ってみても、心が落ち着かない。


目を開けてみると部屋の中は真っ暗で、あの鏡の中に入ってしまったような感覚がした。


あたしはため息を吐きだしてベッドから起きだすと、マクラだけと持って自室を出た。


家の中は静まり返っていて、真っ暗だ。


そんな中、両親の寝室へと向かう。


両親の寝室は一階の角にあり、畳の部屋の布団を敷いて寝ている。


「もう寝た?」


襖を開けて声をかけると、右手の布団に横になっていた母親から返事があった。


「どうしたの恵梨佳?」


「眠れないの」


そう言い、甘えるように母親の布団に入り込む。


母親は驚いた様子を見せながらも、身を寄せてあたしの寝るスペースを作ってくれた。