見ツケテ…

☆☆☆

「植木鉢に、石ねぇ……」


直弘の手当てをしながら、保険の先生は眉根を寄せた。


「偶然じゃないですよね?」


直弘の隣で美奈が言う。


「そうね。あなたたち、なにか心当たりは?」


そう聞かれて、4人は同時に黙り込んでしまった。


館下先生のことを話すべきかわからなかった。


池に行ってからの怪奇現象についてすべて話して、信じてくれるかどうかもわからない。


黙り込んでしまったあたしたちに、保険の先生はため息を吐きだした。


「とにかく、危険なことに首を突っ込んだししちゃダメよ? なにかあったら、すぐに言うように」


その言葉に、あたしは安堵して頷いた。


言いにくいことを無理矢理聞きだしてこないから、信用できる先生だった。


「あたし、ちょっとトイレに行ってくるね」


直弘の手当てにはもう少し時間がかかりそうなので、あたしは1人で保健室を出たのだった。