見ツケテ…

理解した瞬間窓に駆け寄り、外を確認した。


しかし、館下先生の姿は見えない。


石は美奈の頭上をそれたから良かったものの、当たっていたら大ごとだ。


あたしは館下先生にボールを投げつけられた時の腕力を思い出して青ざめた。


「美奈、怪我はないか?」


「うん。大丈夫」


直弘に声をかけられて、美奈はどうにか立ち上がった。


その時だった、直弘の手から血が出ているのが見えた。


「お前、その手どうした?」


「あぁ、美奈を庇った時に落ちた破片で切ったみたいだ」


知樹に指摘されて、直弘は今気が付いた様子でそう言った。


「大変! 保健室に行かないと!」


「これくらい大丈夫だって」


「ダメだよ。ほっといたらばい菌が入っちゃうでしょ」


美奈が必死で保健室へ行くように勧めている。


「それなら、一旦保健室へ行こう。焦る必要はないしな」


知樹がそう言うので、あたしたちは一度保健室へ立ち寄ることになったのだった。