氷点下できみを焦がしたい







「……何だったんだろう、今の」


永遠くんはあの後、すぐに資料室を出て行ってしまった。
呆然とする私だけを残して。

掃除をしなきゃと思い出した私は、ほうきで資料室の床に溜まったホコリを掃きながら、ぼーっとさっきのことを考える。



「あれが永遠くん……?」



入学式の日。緊張でお腹が痛くて、うずくまっていた私に気付いてくれた永遠くん。

『大丈夫?』

そう言って、一緒に保健室までついてきてくれた永遠くん。


首席入学で、格好良くて、生徒会長で、みんなから王子様って呼ばれてて。


『僕にきみはもったいないよ。
もっと素敵な人と幸せになって』

なんて振り方をするくらい、優しくて儚げな素敵な人。

そんな私の中の永遠くんのイメージが音を立てて崩れていく。