「それで莉緒は精神的に不安定になったっていうか」

「そう、なんだ……」


「中学入るまで、ていうか親が離婚するまでは、俺たち永遠の家の隣に住んでたんだよ。だから幼なじみだった」

「え……」



永遠くんの隣に、住んでたんだ。

だから真緒くんと永遠くんは、本性を知ってるくらい仲良しだったんだ……。



「それで莉緒が親のことで精神的に不安定になるたびに、永遠が慰めてくれてて。

永遠も小さい頃に母親を亡くしてるから、莉緒のことも慰めてくれてさ。

それから莉緒は永遠に依存するようになった、っていうか」


「……」



真緒くんが少し困った顔をするから、私はどうしていいかわからなくて頷くことしかできない。



「親が離婚した上に、そのせいで引越しまでしなきゃいけなくて、永遠の家が遠くなっただろ。

だから莉緒は精神的に追い詰められていって……それで中学の時は学校行けなくなったりもしてて。

その時もまあ永遠がわざわざ会いに来てくれてたんだけどさ。

今は莉緒も普通に高校行ってるし、親とも和解したっていうか会えるようになって元気なんだけど。それでも永遠に彼女ができるのが怖いらしくて……」


「そ、か」


「永遠が休みの日に女の子と出かけるとか、女の子に素を見せるとか羽瑠ちゃんが初めてだから。多分焦ってるんだと思う」


「そう、なんだ」