「──羽瑠、っ」
涙でぼやけた視界に、現れたのは王子様で。
ぶっきらぼうで、氷点下で、毒舌な王子様。
大好きな声の聞こえた方に、顔を向ける。
慌てた顔をして、走ってきてくれた。
周りのみんなも驚いたように私たちを見ている。
「保健室行くぞ」
「ごめん、今立てな……」
今立てないの、って言葉は、最後まで言わせてもらえなかった。
ぐらり、と視界が揺れて、私はいつの間にか宙に浮いていた。
お姫様抱っこされてるって理解したのは、周りの女の子たちの悲鳴がすごかったから。
「と、永遠く……!?」
目の前に永遠くんの顔があって、私の背中と足に永遠くんが触れていて。
恥ずかしすぎて、頬が熱くなる。



