氷点下できみを焦がしたい




 





「っくしゅん!」


朝起きた瞬間、寒気がした。
風邪気味かもしれない……、絶対に昨日雨に当たったせいだ。


だけど熱を測ってみたら平熱だったから、一応寒さ対策のためのカーディガンを持って学校に向かう。



「……あ、」



駅の改札を出て、学校に向かう途中。

少し前の方に見つけた、ミルクティー色の綺麗な髪。

どんなに遠くにいたって、後ろ姿だって、永遠くんの姿はすぐに見つけてしまう。



ただ、彼の背中を見ただけなのに。

私の胸はきゅんと締め付けられて、心の奥がじわりと熱くなる。


最近全然、永遠くんと喋れてないなぁ。

学食の新メニューが美味しかったとか、この前の小テストが散々だったとか、そういう他愛のない話をしたいなぁ。