氷点下できみを焦がしたい



永遠くんの家に雨宿りさせてもらった、あの日のことを思い出した。



『……バカじゃねえの。風邪ひくぞ』

『でも、』

『……うちで乾燥機かけていけば』


あの日の会話を思い出す。

永遠くんの家、大きすぎて本当にびっくりしたなぁ、なんで思い出したら笑みが溢れる。



あの時はまだ永遠くんのこと好きになっていなくて。

永遠くんが王子様じゃないことに、真緒くんに言われた「永遠には大切な人がいる」って言葉に、ショックを受けていたっけ。



だけどこの日、家に雨宿りさせてくれた永遠くんに。ホットミルクを作ってくれた永遠くんに。

そして、大切な人がいる永遠くんに、恋をしたんだ。