氷点下できみを焦がしたい



「今まで意地悪してごめんね」




一気にそれだけ言って、莉緒ちゃんはベンチを立ち上がる。

 
「ま、待って、莉緒ちゃん!」

「……なに」


なにを、言ったらいいのかわからない。
なにも言わないのが正解なのかもしれない、けど。



「……ありがとう、聞いてくれて」


「……うん」


莉緒ちゃんは、少し振り返って、優しく笑ってくれた。

その表情は真緒くんにも、永遠くんにも似ている気がした。