氷点下できみを焦がしたい



「羽瑠ちゃんが永遠の顔しか見てなくて、全然優しくなくて、人の気持ちもわからないような女の子だったら、絶対全力で永遠のこと引き止められたのに」



自分も思ったことのある言葉に、目を見張る。莉緒ちゃんも、そんなふうに思ってくれたの……?



「本当は私、もう親の離婚のことだって立ち直ってるの。この前再婚するって言われて、よかったねって、思ったことがショックだったの。

永遠が私に構ってくれてたのは私の弱さを心配してくれてたからだったのに、私が強くなったら、永遠はいなくなっちゃうんじゃないかと思った」



「……そう、だったんだ」



「そう、私は思ったより強くなってたの。

……だから、私に遠慮して永遠が幸せになれない方がむかつくから、勝手にしていいよ」