氷点下できみを焦がしたい




「っ、羽瑠ちゃ……」

「ご、ごめん!何でもないの、目にゴミ、入っただけで……」



慌ててごまかそうとするけれど、ぽろぽろ溢れる涙は止まってくれない。


違うの、泣きたいわけじゃないのに。


だってしょうがない。

私はそもそも、初めて永遠くんの本性を知ったときに「諦めて」って言われてる。1回振られてるんだから。

真緒くんだって、永遠くんには大切な人がいるからやめておいたほうがいいって、ちゃんと教えてくれた。


……だから、勝手に好きになって、勝手に期待して、勝手に傷ついてるのは私の方で。



だって、永遠くんのいいところ、いっぱい知ったんだもん。



キラキラした王子様で、誰にでも優しくて、儚げで、そんなイメージとは全然違ったけれど。


それでも自分を犠牲にして人に優しくするところも、なかなか素直になれないところも、自分のこと好きになれないところも、ぜんぶ。


そういう本当の永遠くんを、愛しいと思ってしまったから。



だから本当は、ずっと大丈夫じゃないの。


本当は、永遠くんとふたりで来たかった。
永遠くんとお買い物したかった。
永遠くんとお揃いのサングラスだってつけたかった。

永遠くんに、私だけ見てほしかった。