「なにそれ、莉緒も行きたい〜〜!」



すると、突然聞こえた高い声に、ふたりとも驚いて顔を上げた。


校門からちょうど出ようとした私たちの前にいるのは、莉緒ちゃん。

門の前で待っていたらしい莉緒ちゃんが、にこにこしながらこちらに歩いてくる。


ふわふわの長い髪がかわいいし、お嬢様っぽい紺のセーラー服がすごく似合っている。



「莉緒、なんでここに……」

「永遠に会いたくて来たんだよ。 
そしたらテーマパーク行くって話聞こえたから!」



花が咲いたみたいに、笑った顔が綺麗だ。
口角がきゅっと上がる笑い方は、真緒くんと似ているかもしれない。



「莉緒は自腹で行くからチケットはいいから!
真緒も誘って4人で行こうよ〜!」


永遠くんの制服の裾をクイ、と引いて上目遣いの莉緒ちゃん。
か、可愛い……。


「いや、今回は羽瑠へのお詫びだから。
羽瑠と莉緒は面識ないんだから困るだろ」


「えー、絶対大勢の方が楽しいよ。
ねえ、羽瑠ちゃん、いいでしょ?」



きゅるん、と大きな瞳で見つめられたら、女の私でもキュンとしてしまって。

断る方が可哀想かなと思ってしまう。