氷点下できみを焦がしたい



そんな会話をしながら、ふたりでショッピングモールをまわる。それだけで、夢の国に来たみたいに楽しいなんて、好きな人の力ってすごいなぁ。



「……あ、ごめん電話」



次はどこに行こうかと考えていると、永遠くんのスマホが着信を知らせて鳴った。

画面に表示された「莉緒」って文字が一瞬見えてしまって、一気に現実に引き戻される。



「出ていいよ。私そこの店見てるね」



気を使わせないために近くにあったコスメブランドのお店に入って、特に欲しいわけでもなかったリップを眺める。


……なに、話してるんだろう。

嫌な予感がした。
そして嫌な予感は、当たるものなんだと思う。



「ごめん、羽瑠。
莉緒の親が色々あって、ちょっとパニックになってるみたいで。心配だから……」



申し訳なさそうに、電話を切って私のところに来た永遠くん。

その先を言えないのは、私に気を使ってくれてるから。



「いいよ、行ってきてあげて。
私は今日もう十分楽しかったよ、ありがとう!」


精一杯の笑顔を作ったら、永遠くんはまた眉を下げて、「ごめん」って言った。