「ちょっと、なに笑ってんの」



私の態度にムッとした彼女は、眉をしかめる。
隣にいる2人も、次々に声を荒げた。


「なんでアンタみたいな、普通の子があの2人と仲良くしてんのよ!?」

「文化祭で永遠くんに会いに来てた子が本命なんでしょ?
笹木さんなんて眼中にもないよ」



その通りすぎて、悲しくなる。
そうだよ。文化祭に来ていた莉緒ちゃんが永遠くんの大切な人で、私は永遠くんにとって何でもない存在だ。

わかってるよ、わかってるから、もう聞きたくない……!


「ちょっと、何か言いなよ」


ドン、と押された肩。
驚いてよろけた私は、ふらりと後ずさって。


──トン


それから温かい何かにぶつかった。




「──なにしてるの?」



ドキリとするくらい冷たい、無機質な声が降ってくる。