氷点下できみを焦がしたい




『諦めろ、面倒だから。
俺はお前なんか好きにならない』


さっき言われた永遠くんの言葉を思い出す。
そしてあの表情も。


……こんな失恋の仕方、ある?
あまりにも冷たい、氷点下の彼の視線が脳裏に焼き付いている。


私が永遠くんのこと見てたの、気付いてたんだ。

……まあ、うちの学校のほとんどの女の子は永遠くんのことを見てるけど。



「諦めろって、言われちゃったな……」



諦めろって……諦めるに決まってるよ!
ていうか、もうあんな人好きじゃないよ!


だって私が好きだったのは王子様みたいな永遠くんで、なのに本当の永遠くんは氷点下で。

私が好きになった永遠くんはただの作り物で、もうどこにもいないんだから。




……本当、なのかな。
全部全部、嘘だったのな。


優しくて素敵な永遠くんは、本当にどこにもいないのかな。
だったらどうして、あんな素敵な王子様のふりしてるんだろう。