「え、でも…」



「いいからいいから。
ー七瀬さん、休憩はいりまーす」



「「「はーい!」」」



颯太くんの、声にみんなが返事をする。



「ほら、誰も七瀬さんのことダメだなんて言わないでしょ?みんな、七瀬さんには借りを返したいと思ってたはずだからさ」



「颯太くん…。ありがとう!」



「いいえ!それじゃあね」



そう爽やかに教室に戻っていった颯太くんに、もう一度心の中で感謝を込める。



「ほら、音。行ってきなさい」



蘭も、そう言ってくれる。



「うん!また戻ってくるから!」



みんな、本当に優しいね。
この世の中、捨てたもんじゃないよ!



教室を飛び出したのはいいものの…。


肝心の翼くんがどこにいるのか、見当がつきません。


まずは、3年B組に行こうかな。