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誰かに抱き締められていた。
見覚えのない掛布団に自宅ではないことは認識できた。

私を抱き締めたまま眠る相手がどうにも思い出せないが、私が肌を許す相手なんて一人しかいない。

「亮二…」

そっと呟いた名前に

「おい、ベットで違う男の名前なんて呼ぶなよな。
あすか、お仕置きだ」

ふいに近づいた顔が私の唇を噛みつくように塞ぐが、大きく目を見開いたまま、私は目の前の人物を凝視した。