いきなり来てしまったが、慎に連絡をしようと携帯を手にしたまま、私の動きは止まった。

それはとても綺麗な人だった。

私服姿の慎に腕を絡めて、ホテルからでてきたのだ。

「し、ん、、、』

私の呟きにちらりと私を見た彼は、他人を見るような視線を私に向け、すぐにその目は隣の女性に向けられて、愛しい人を見る優しい眼差しで笑顔で話しながら私の横をすり抜けていった。