吐きそうなほど最悪な気分だった。

すぐにでも帰りたかったが、みんなでわいわい盛り上がる中を通って帰るわけにもいかず、フロアー奥の給湯室に逃げ込んだ。

コーヒーを入れながら崩れ落ちそうな身体をどうにか壁によりかかって体重を支える。

早く一人になりたい…。

遠くでみんなの笑い声が聞こえる。
ぼんやりと壁に寄りかかる給湯室に靴音が近づく。

身構えた私に姿を現した人物は

「 …顔色が悪いが大丈夫か、長谷川」
と私の顔を覗きこんだ。

第一営業部課長渡瀬慎太郎が目の前に立っていた。